2月のラップランドにオーロラを求めて旅をした。 厳しい寒さで頬が痛くなる。 森に積もった雪が風に吹かれて舞い降りる風景がじつに美しい。 夜を徹して眺めるも、それは遂に現れてくれなかった。 美しいものを見ることは容易でない。 あたかも器の黒い森に凍る湖水を上空から眺めたような幻想的景色の、 湿った雪解けの畦道の、 大輪に咲いた冬の白い華の、 吹雪に吹かれて刻まれた大地の襞の、 モノトーンでありながらなんと色彩豊かなことか。 いろいろと想像を巡らせてくれる景色の断片、 石本ワールドが益々佳境に入ってくる。 川上元美